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JR蒲田駅西口 駅前徒歩2分駅近くのクリニック 京急蒲田駅から徒歩10分  夜20時まで診療2012/5/14  新規開業!!この度、私共兄弟が育った蒲田の地で開院をさせて頂くことになりました。私共は相生小学校を卒業後に、ともに医師を目指し兄は東邦大学医学部、弟は東京医科大学に進学致しました。医学部卒業後は大学の研究室に籍をおき、大学病院をはじめ、総合病院・がん専門病院・海外留学などで様々な経験を積ませて頂きました。そこで学んだ専門的な知識を活かして、患者様にわかり易い言葉で先端の医療をご紹介するとともに、専門機関と連携をして、ガンなどの悪性疾患の早期発見・早期治療を目指して行きたいと思っております。また、どんな症状の患者様に対しても誠実に対応し、適切な治療をアドバイスさせて頂きたいと考えております。私共を育てて頂いたこの地域に、少しでも恩返しが出来るよう、一生懸命に努力して参ります JR蒲田駅西口 駅前徒歩2分駅近くのクリニック 京急蒲田駅から徒歩10分  夜20時まで診療 〒144-0051 東京都大田区西蒲田7-44-6 パシフィックタワー2F Tel:03-3737-4114 Fax:03-3737-4115JR蒲田駅西口 駅前徒歩2分駅近くのクリニック 京急蒲田駅から徒歩10分  夜20時まで診療 〒144-0051 東京都大田区西蒲田7-44-6 パシフィックタワー2F Tel:03-3737-4114 Fax:03-3737-4115

蒲田 西蒲田 JR蒲田 蒲田駅 駅近 駅前 徒歩 2分 20時 夜間診療 土曜診療 内科 外科 消化器 肛門 胃 腸 胃腸科 呼吸器 糖尿病 皮膚 泌尿器 循環器 乳腺胃カメラ 大腸カメラ 検診 ドック 超音波 レントゲン 心電図 静脈麻酔 無痛 NBI 早期がん 高血圧 不整脈 糖尿病 トリグリセライド 中性脂肪 高脂血症 HDL LDL コレステロール 痔 切れ痔 イボ痔 血便 潰瘍 腹痛 胃炎 食道炎 逆流性 食道 胃 大腸 直腸 肝臓 すい臓 胆のう 胆石 脂肪肝 肝硬変 B型肝炎 C型肝炎 アルコール性肝炎 がん 虫垂炎 盲腸 憩室 喘息 ぜんそく 肺気腫 肺炎 気管支炎 おでき イボ にきび はげ 湿疹 蕁麻疹 発疹 かゆみ しこり 巻き爪 陥入爪 タコ 魚の目 やけど 火傷 前立腺 血尿 頻尿 乳腺 乳腺症
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内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ):胃カメラ 大腸カメラ 検診 静脈麻酔 無痛 NBI 早期がん 血便 がん 憩室 食道 胃 大腸  直腸
採血で出来る簡便な胃がん検診!(ABC検診)
インフルエンザ予防接種
日本脳炎  DT(ジフテリア、破傷風の2種混合) MR(風疹、麻疹の混合) 風疹 麻疹(はしか) 肺炎球菌子宮頸がん(サーバリックス)
消化器内科

腹痛・便秘・下痢・吐き気・嘔吐・血便・下血など、いろいろな消化器に関する症状を持った患者様の窓口になるのが消化器内科です。症状によっては血液検査・超音波検査・内視鏡検査など様々な検査を行うのも消化器内科の役目です。そして診断を下し、お薬で治療出来る患者さんには薬物治療を、また手術が必要な患者さんには外科への紹介を行います。また薬物治療のみでなく、内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)を用いてポリープの切除や、最近では早期がんの切除まで行うようになってきており、消化器内科の役割が多くなってきています。
特に当院では、
経鼻内視鏡・通常経口内視鏡・大腸内視鏡を備え、狭帯域光観察(NBI)および色素法を導入することにより、喉頭がん・下咽頭がん・食道がん・胃がん・結腸がん・直腸がんの早期発見に力を入れています。またご希望の患者様には静脈麻酔を併用し、苦痛の少ない検査を行って参ります。

食道の病気

・食道胃逆流症(しょくどういぎゃくりゅうしょう:GERD)、逆流性食道炎
・食道がん
・食道静脈瘤(じょうみゃくりゅう)

食道胃逆流症(しょくどういぎゃくりゅうしょう:GERD)、逆流性食道炎
症状: 胸やけや胸痛、胸部のつかえ感など
病態: 下部の食道には食物が通らない時には食道を絞めて逆流を防止する機能がありますが、この調節を行っている食道括約筋がうまく働かず、胃酸を含む胃の内容物が食道に逆流することによって起こります。このような病態を食道胃逆流症、また食道にびらんや潰瘍などの肉眼的な損傷をきたしたものを逆流性食道炎といいます。
治療: 通常は胃酸の分泌を抑制する薬の内服で改善しますが、重症の場合には手術が必要となることもあります。
 
食道がん
症状: 胸やけや胸痛、胸部のつかえ感など
病態: 男性に多く認め、飲酒・喫煙・熱い物の摂食などと関係があります。近年では、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドを分解する酵素を、先天的に欠損している人にその危険性が高いことが示され、特にわずかな飲酒ですぐに顔が赤くなる方は注意が必要です。
治療:内視鏡[胃カメラ]的切除・手術・抗がん剤と放射線による化学放射線療法(かがくほうしゃせんりょうほう)が主な治療です。
治療: 早期に発見することが出来れば、内視鏡で切除することができ、生命予後も良好ですが、リンパ節に転移をすると予後不良です。喫煙やアルコールを摂取される方は、定期的に内視鏡検査を受けましょう。
 
食道静脈瘤(じょうみゃくりゅう)
症状: 食道静脈瘤自体の症状はありませんが、破裂すると吐血や下血を認めます。
病態: 消化管を栄養した血液のほとんどは、門脈(もんみゃく)という血管に集まり、肝臓を経由して心臓に戻ります。ところが、肝硬変などによって門脈の圧が高くなると、肝臓を経由しないルートで血液が心臓に戻ろうとします。その一つのルートとして食道の周囲や粘膜の下の静脈が使われます。普段より流れる血液の量が増えるため、粘膜下の静脈は拡張し、出血し易くなります。これを食道静脈瘤といいます。肝臓機能の異常を指摘された方は定期的に内視鏡検査を受けましょう。
治療: 食道静脈瘤で一番問題になるのは出血です。出血した場合や、出血する可能性の高いものが治療の対象となります。

胃の病気

・急性胃炎・急性胃粘膜病変(いねんまくびょうへん:AGML)
・慢性胃炎
・機能性ディスペプシア[機能性胃腸症]
・胃潰瘍
・胃ポリープ
・胃がん

 
急性胃炎・急性胃粘膜病変(いねんまくびょうへん:AGML)
症状: 急激に始まる心窩部(みぞおち)痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、吐血、下血  など
病態: 原因として精神的や肉体的なストレス、アルコール、鎮痛剤 [NSAIDs]などの薬物、香辛料などの摂取過多などがあります。胃酸などの胃の攻撃因子と、胃粘膜の防御因子との均衡が崩れる事が成因と考えられています。急性胃炎のみでなく、時にびらんや潰瘍などを伴う病態をまとめて急性胃粘膜病変と呼びます。
治療: 通常は胃酸の分泌を減らす薬や胃の粘膜を保護する薬の内服で改善しますが、重症例では入院加療が必要となります。
 
慢性胃炎
症状: 心窩部痛、心窩部不快感、胃もたれ、吐き気、食欲不振、腹部膨満感、胸やけ  など
病態: 加齢や喫煙・飲酒などの様々な原因によって胃に持続的な炎症が起きた状態をいい、いくつかの種類に分けられます。中でも一番多く見られるのは萎縮性胃炎ですが、近年、その原因のほとんどはヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の持続的な感染によるという事が判ってきました。さらに、胃がんの多くは胃の粘膜の萎縮を伴っている事より、胃がんの原因の多くに、このピロリ菌が関与していると考えられています。
治療: 症状が無ければ特に治療の必要はありません。症状のある場合には内服薬による治療を行います。
 
機能性ディスペプシア[機能性胃腸症]
症状: 心窩部痛、胃もたれ、胸やけ、膨満感 など
病態: 聞きなれない病気だと思いますが、上記のような症状があるにもかかわらず、検査をしても目に見える形態的な以上のない病気をいいます。“病は気から”などと考えがちな日本では以前より、神経性胃炎や慢性胃炎などと呼ばれていました。しかしながら、見た目には悪くなくても機能的に障害があるという点に注目が集まり、最近になりこの概念が徐々に浸透しつつあります。ピロリ菌感染との関係に関しては未だ一定した結論が得られていません。
治療: 症状に応じて、胃酸の分泌を抑える薬、消化管の運動を改善する薬、また状況によって抗うつ薬などを用いることもあります。
 
胃潰瘍
症状: 心窩部痛、背部痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、吐血、下血  など
病態: 胃の壁がどんどんと掘れてしまい深いくぼみが出来てしまった状態をいい、ひどい場合には大出血を来したり、穿孔(せんこう)といって壁に穴が開いて胃とお腹の中が交通し、腹膜炎となったりします。胃酸などの胃の攻撃因子と、胃粘膜の防御因子との均衡が崩れる事によって発生しますが、特に粘膜防御機能が低下する事が成因と考えられています。防御機能を低下させるものとして、精神的や肉体的なストレス、アルコール、タバコ、コーヒー、鎮痛剤 [NSAIDs]、ステロイド、また近年ではピロリ菌の感染などが注目されています。
治療: 内服薬で治療が可能ですが、出血を来したり穿孔を起こしたりした場合には危険です。ピロリ菌の感染があれば、内服薬による除菌が保険で認められています。
 
胃ポリープ
症状: 特にありません
病態: 胃のポリープとは胃の粘膜の増殖により胃内腔に隆起した病変のうち良性のものをいいます。胃底腺ポリープ、過形成性ポリープ、胃腺腫の3種類に分類されます。過形成ポリープはヘリコバクター・ピロリとの関係が指摘されており、ヘリコバクター・ピロリの除菌によって消失するという報告が多く見られます。ポリープ自体は良性ですが、種類によっては癌化することがあり、慎重な経過観察が必要です。
治療: 小さいものでは経過観察を行いますが、大きなもの、出血を伴うもの、癌化が疑われるものに関しては、内視鏡的に切除します。
 
胃がん
症状: 早期のうちには症状がありません。進行例では、上腹部痛、背部痛、上腹部不快感、胃膨満感、胃もたれ、吐き気、嘔吐  など
病態: 胃がんは減少傾向にありますが、いまだに全てのがんの中で罹患率は第1位、死亡率では第2位です。胃がんの発生に関与する因子として、喫煙、塩分の取り過ぎ、野菜や果実の摂取不足が以前より言われていますが、近年ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染が注目されています。日本人のピロリ菌の保菌率は約50%ですが、胃がん患者では94%と高率であり、ピロリ菌の感染により胃がんの発生率が約6倍になると考えられています。胃がんの診断はバリウム検査や胃カメラが一般的ですが、近年、胃の萎縮やピロリ菌の感染を見る検査を行う事により、患者さんに少ない負担で胃がんになり易い人を拾い上げる方法が試みられています。
治療: 内視鏡的切除・手術・化学療法[抗がん剤による治療]が主な治療です。近年、内視鏡的切除の適応が徐々に拡大されており、早い段階で発見することが出来れば、体にメスを入れることなく、内視鏡で治療が可能です。また手術においては、腹腔鏡を用いた手術が盛んに行われており、従来よりも小さな傷で手術を行う事が可能になってきています。
予後:早い時期に発見することが出来れば、生命予後は良好です。40歳以上の方は定期的な内視鏡検査をお勧めします。また近年、抗がん剤による治療成績も向上してきています。
 
十二指腸の病気
・十二指腸潰瘍
症状: 心窩部痛(特に空腹時)、背部痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、吐血、下血  など
病態: 十二指腸の壁が胃酸などの攻撃によって障害を受けて深いくぼみが出来てしまった状態をいい、ひどい場合には大出血を来したり、壁に穴が開いて十二指腸とお腹の中が交通し、腹膜炎となったりします。原因としては胃潰瘍と同様に、精神的や肉体的なストレス、アルコール、タバコ、コーヒー、鎮痛剤 [NSAIDs]、ステロイドなどと、特にピロリ菌とは関係が深く約90%の症例にピロリ菌の感染を認めます。
治療: 胃酸の分泌を減らす薬や胃の粘膜を保護する薬の内服を行います。ピロリ菌のいる症例では、抗生物質の内服により除菌を行います。十二指腸の壁は胃よりも薄いため穿孔し易く、また出血を来した際にも内視鏡で止血し難いため、早めの発見と治療が必要です。上記の症状がある方は内視鏡検査をお勧めします。
 

小腸の病気

・急性胃腸炎
・消化吸収不良症候群
・腸閉塞
・クローン病

 
急性胃腸炎
症状: 吐き気、嘔吐、食欲不振、発熱、腹痛 など
病態: 胃や腸に炎症を起こし、上記のような症状を引き起こしたものを、原因に関わらず急性胃腸炎と呼びます。急性胃腸炎の原因は様々で、広い意味では単なる食べ過ぎや飲み過ぎ・水あたり・お腹の冷えなどにより、上記の症状が起きた場合にもそのように呼ばれます。発熱を伴いウィルスや細菌の感染に起因するものもこれに含まれ、感染性腸炎などとも呼ばれます。ウィルス性腸炎は主に冬場に多く、原因としてアデノウィルス・ロタウィルス・ノロウィルス・エンテロウィルスなどが有名です。また細菌性腸炎は主に夏場に多く、原因としてサルモネラ・カンピロバクター・腸炎ビブリオ・病原性大腸菌・ブドウ球菌・ウェルシュ菌・エルシニアなどが有名です。
治療: 基本的に細菌性胃腸炎以外には対処療法が主体で、特効薬はありません。胃薬、吐き気止め、整腸剤、解熱剤、鎮痛剤などが用いられます。細菌性胃腸炎には上記に加えて抗生物質の投与を行います。
根本的な治療ではありませんが、上記症状の際には容易に脱水に陥り易く、脱水が病状をさらに悪化させます。経口摂取が十分でない場合には点滴治療が有効です。当院では点滴室をご用意しておりますので、お気軽にお尋ね下さい。
 
消化吸収不良症候群
症状: 腹痛、下痢、栄養素の欠乏に伴う症状 など
病態: 摂取した食物を消化できない、または消化はできるが吸収ができない、などの理由により上記の症状を引き起こしたり、それが原因で栄養素の欠乏症を来したりする病気です。原因としては消化を行う酵素の分泌低下によるもの、また吸収を主に行う小腸の障害によるものなどがあります。牛乳を飲んだ際に起こる下痢の乳糖不耐症が有名ですが、手術などによって外分泌を行う臓器を切除したり、吸収を行う小腸を広範囲に切除したりした場合にも起こります。
治療: 原因となる栄養素を摂取しないことで予防ができますが、必須の栄養素である場合には注射などの方法で補う必要があります。
 
腸閉塞
症状: 吐き気、嘔吐、腹痛、便秘、腹部の張り感 など
病態: 別名をイレウスといいます。腸閉塞の原因は様々ですが、頻度が高いのはお腹の手術を受けたことのある方に起きる腸管の癒着(ゆちゃく)によるものです。また最も危険なのは絞扼性(こうやくせい)イレウスといって、腸管の血流障害を伴うタイプの腸閉塞で、急激に症状が進行し放っておくと生命の危険性もあるため、早期の診断と治療が必要となります。
治療: 軽症のものでは保存的加療(手術をせずに絶食や点滴、経鼻胃管チューブの挿入など)によって改善しますが、絞扼性イレウスなどの重症のケースでは緊急手術が必要となることも少なくありませんので、早めの受診をお勧めします。
 
クローン病
症状: 腹痛、下痢、食思不振、体重減少、痔ろう、肛門潰瘍  など
病態: 原因不明の炎症性疾患で、口から肛門に至るまで全消化管に発生しますが、小腸および大腸(特に回盲部)、肛門に好発します。マクロファージから放出されたTNF-αというサイトカインによって腸管壁が攻撃され、全層性の炎症が起きると考えられていますが、その原因を含めてまだ詳細は明らかになっていません。10~30歳と比較的に若年者に発症し、男女比では2:1で男性に多く、喫煙との関係があります。炎症によって消化管全層が障害されるため、狭窄によるイレウス、他の消化管や臓器との瘻孔形成や消化管穿孔で発症するケースも認められます。診断は通常、大腸の内視鏡検査や注腸検査によって行います。クローン病は厚生労働省の難病対策事業の対象疾患で、公費による助成を受けることが出来ます。
治療: 根本的な治療は未だ存在しませんが、炎症が起きている際にはまず消化管の安静を保ち、消化管より食物内に存在する抗原を断つことが第一となるため、点滴や成分栄養などによる栄養療法を行います。栄養療法と並行して5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤やステロイドなどによる薬物療法を行います。近年では抗ヒトTNF-αモノクロナール抗体(レミケード)などを用いた分子標的薬による治療も盛んに行われるようになってきています。手術は根治的な治療ではないため、積極的に行われることはありませんが、狭窄から腸閉塞を来した症例や、穿孔・出血・膿瘍形成・がんを合併した症例などは手術適応となります。
 

大腸の病気

・大腸ポリープ
・大腸がん
・大腸憩室症
・過敏性腸症候群(IBS: Irritable Bowel Syndrome)
・虚血性腸炎
・潰瘍性大腸炎

大腸ポリープ
症状: 一般的に症状はありませんが、大きくなると、血便、便秘、腹痛  など
病態:

大腸の粘膜から腸管内腔に向かって突出した隆起性病変をポリープと言いますが、組織学的に非腫瘍性ポリープと腫瘍性ポリープとに分類されます。非腫瘍性ポリープには過誤腫や炎症性ポリープ、過形成性ポリープなどがありますが、いずれも切除する必要はありません。腫瘍性ポリープで最も多いのは腺腫で、大きくなるにつれて腺腫の一部が癌化する可能性が高くなるため、切除の対象となります。大腸がんの項目でも述べましたが、多くの大腸がんはadenoma-carcinoma sequenceと言って、この腺腫から発生してくると考えられています。要するにポリープの段階で治療しておけば、かなりの大腸がんは防ぐことが出来るといえます。

治療: 病変の大きさや形態によって切除する方法は異なりますが、大きな病変を除いて基本的には内視鏡による切除を行います。2012年4月から大腸においてもESD(内視鏡的粘膜下層切開剥離術)が保険適応となりました。この方法を用いることにより、範囲の広い大きな病変でも一括で病巣を切除できるようになったため、今後外科的に手術で切除する症例も少なくなることが予想されます。いずれにせよ、内視鏡検査を定期的に受けて、ポリープの段階で発見するという事が大切です。
 
大腸がん
症状: 血便、便秘、下痢、腹痛 など
病態:

大腸がんは近年、食の欧米化によってますます増加しており、罹患数は胃がんに次いで第2位となりました。大腸がんのリスクファクターは喫煙、飲酒、肥満、加工肉の摂取などの生活習慣で、また家族歴に大腸がんがある場合にもリスクとなります。大腸がんの多くはadenoma-carcinoma sequenceと言って、大腸ポリープの腺腫から発生してくると考えられています。大腸を盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸に分類すると、大腸がんの好発部位はS状結腸と直腸で全体の70%を占めます。大腸がんの検診として、日本では40歳以上を対象に2回の便潜血検査を行っています。とても簡便で良い方法ですが、実は進行癌があっても10%、また早期癌では50%が偽陰性となると報告されており、検診をしていても絶対的に安心は出来ないということです。

治療: がんの進行度によって治療方針が異なります。がんの深さが粘膜下層浅層にとどまっており、リンパ節への転移が無ければ内視鏡で治療することが出来ます。粘膜下層深層よりも奥に浸潤した症例では手術が行われますが、近年では腹腔鏡を用いて従来よりも小さな傷で、より低侵襲な手術が行われるようになってきており、世界的に見ても大腸においては一般的な手技になりつつあります。 遠隔への転移を伴うなどより進行した症例に対しては抗がん剤による治療が行われます。近年では種々の抗がん剤の併用や分子標的治療薬などと組み合わせることにより、より長期の生存が期待できるようになってきています。
 
大腸憩室症(大腸憩室炎・大腸憩室出血)
症状: 大腸憩室症自体に症状はありませんが、大腸憩室炎を生じると腹痛や発熱が、大腸憩室出血を生じると血便や下血などが見られます。
病態:

大腸憩室症とは大腸壁の一部が、お餅が膨らんだように大腸の外側に向かって袋状に突出してしまった状態をいいます。多くは大腸の筋層の弱くなった部分から、内腔の圧に負けて外側に突出してしまったと考えられています。盲腸・上行結腸・S状結腸に好発しますが、近年では食の欧米化に伴って、欧米人に多いS状結腸憩室が増えてきています。有病率は10%強とされており、年齢が増すにつれその数も増加します。通常は無症状で経過しますが、時に上記のような症状を起こすことがあります。特に盲腸や上行結腸の憩室の炎症では盲腸(急性虫垂炎)との鑑別が難しく、また下血を起こした際なども原因究明の一助となるため、検査などで偶然発見された場合には治療は必要ありませんが、そのように言われたという事を覚えておくことが大切です。

治療: 症状を伴わなければ治療の必要はありませんが、時に憩室に炎症を起こし、腹痛や発熱を伴った場合には、絶食および点滴、また抗生物質の投与を行います。点滴による加療で改善せず、穿孔や瘻孔形成、腸管の狭窄を伴うようになった場合には手術を行います。また憩室から出血を来した場合にも、通常は絶食や止血剤の投与、また大腸内視鏡による止血が可能です。
 
過敏性腸症候群(IBS: Irritable Bowel Syndrome)
症状: 腹痛、下痢、便秘、腹部不快感 など
病態:

過敏性腸症候群とは上記症状の原因となるような器質的な疾患が無いにもかかわらず、そのような症状を一定期間以上繰り返す機能性疾患です。IBSの診断基準としては世界的に認められているRome IIIと日本の実情に即したBMW (Bowel Motility Workshop)クラブ 基準が使用されていますが、ここではBMWクラブ基準を紹介します。
*下記の①、②の症状を1か月以上繰り返す。また症状を説明する器質的疾患がない。
① 腹痛、腹部不快感ありおじゃ腹部膨満感がある。
② 便通異常(下痢、便秘あるいは交替性便通異常)がある。便通異常には以下の1項目を含む。
1) 排便回数の変化
2) 便性状の変化(硬便~兎糞/軟便~水様便)
IBSの原因としてはストレスなどの心理的要因や自律神経の異常、また腸内神経伝達物質の分泌異常などが指摘されていますが、いまだにはっきりとした原因に関しては判っていません。

治療: ストレスなどの原因となっている職場や家庭での環境改善が一番です。また規則正しい食生活と適度の運動やしっかりと睡眠をとるといった日常における生活習慣の改善も必要です。薬物療法としては、整腸剤の他に下痢型の方には腸の運動を抑制する作用の薬を、また便秘型の方には腸の運動を促進させる作用のある薬を用います。
 
虚血性腸炎
症状: 腹痛、下痢、血便、下血 など
病態:

腸を栄養する血管が何らかの原因で血流が悪くなることによって、腸管が虚血となった際に発生します。腸管の虚血は一般に可逆性(元に戻る)のものと不可逆性(元に戻らず腸管が壊死してしまうもの)のものに分けられますが、一般的には前者を虚血性腸炎と呼びます。原因としては加齢や糖尿病・高脂血症などを原因とした動脈硬化によるもの、便秘による腸管内圧の上昇などが指摘されています。もともと上腸間膜動脈と下腸間膜動脈の栄養支配の境界部位にあたる大腸脾弯曲部から下行結腸にかけては血流が悪いため、特にこの辺りに多く発生します。症状および内視鏡検査の所見で診断します。

治療: 軽症例では絶食として腸管の安静を保つことにより改善しますが、腹部症状の強い場合や、採血上で強い炎症所見を認めるものに関しては、入院をして注意深い経過観察が必要です。腸管が壊死に陥った場合には手術が必要となります。
 
潰瘍性大腸炎
症状: 下痢、粘血便、腹痛、体重減少、貧血 など
病態:

クローン病とともに炎症性腸疾患(IBD; Inflammatory Bowel Disease)と呼ばれ、 やはり厚生労働省の難病対策事業の対象疾患で、公費による助成を受けることが出来ます。男女差は無く、男性では20~24歳に、女性では25~29歳に発症のピークがあります。クローン病と同様に原因は不明ですが、大腸に限局するという点でクローン病と異なる他、炎症も粘膜層が主体で深部に及ぶことはあまり無いため、血便や下痢などの粘膜症状が主に認められます。病変は主に直腸から始まって連続的に全大腸に拡大していくという性質があり、病状の範囲によって、直腸炎型・左側大腸炎型・全大腸炎型などに分類されます。活動性によって、寬解期と活動期に分けられ、また腸や全身の症状また炎症所見などによって軽症・中等症・重症・劇症などに重症度が分類されています。中毒性巨大結腸症から穿孔を来したり、長期的には大腸がんを合併したりする可能性があります。単なる下痢や血便から発症することが多いため、慢性的な下痢に対しては若年者においても大腸内視鏡検査が必要です。

治療: 軽~中等症例では、5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤の経口投与や注腸投与、ステロイドの坐薬や注腸投与を行います。重症例や劇症例に対してはステロイドの経口投与や静脈投与が行われます。また難治症例に対しては血球成分除去療法や免疫抑制剤の投与を行います。また2010年6月より抗ヒトTNF-αモノクロナール抗体(レミケード)の使用が認可され、5-ASAやステロイドでコントロール不良であった症例に対しても優れた効果が報告されています。消化管穿孔や中毒性巨大結腸症、大腸がん、コントロール不能な大量下血を伴った症例では外科的切除の適応となり、手術は基本的に大腸の全摘出が行われます。
 

肝臓の病気

・脂肪肝
・C型慢性肝炎
・B型慢性肝炎
・アルコール性肝障害
・非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis;NASH)
・自己免疫性肝炎(Autoimmune hepatitis;AIH)
・原発性胆汁性肝硬変(Primary Biliary Cirrhosis;PBC)
・肝臓がん
① 原発性肝細胞がん
② 転移性肝がん
・肝血管腫

肝臓は人体の中で最も重い臓器で、体重の約50分の1程度の重さがあり、成人では約1000~1500g程度です。その働き自体も大きく、生命維持に重要な役割を果たしています。しかし、肝臓は“沈黙の臓器”と言われるように異常が起きても症状が出にくいため、気付いた時には既に病状が進行していたというケースも多く見られます。

肝臓の働きには以下のようなものがあります。
① 代謝作用
私達は毎日、ご飯やパン・野菜・肉などの食事を摂取し、それらをエネルギーに変換する事によって活動しています。この変換する働きを持っているのが肝臓です。小腸で吸収された糖質・タンパク質・脂質は肝臓に運ばれて代謝され、貯蓄されたり身体に必要な栄養源に変えられます。例えば、ブドウ糖は肝臓でグリコーゲンに変えられて貯蓄され、必要に応じてブドウ糖に変えられエネルギー源として使われます。タンパク質はアミノ酸、脂質はコレステロールや中性脂肪に変えられます。
その他にも細胞膜にある物質や血液を固める物質、ホルモンの素材、神経伝達物質の素材などからだにとって大切な物質もすべて肝臓で代謝されています。
② 解毒作用
食物やアルコール、薬や毒素など体外から摂取したり、体内で生成された有害な物質を解毒し無毒化します。タンパク質は体内で分解される際に有害なアンモニアを生成しますが、肝臓で無毒な尿素に変えられ排出されます。また、アルコールの解毒は有名です。
【肝臓と飲酒】
アルコールはまず、腸から吸収されます。そして、肝臓へと運ばれ、アセトアルデヒド(解毒の過程で発生する有害物質で二日酔いの原因)という物質に変換され、最終的には、水と炭酸ガスにまで解毒されて、血液中に排出されます。二日酔いがひどい方は、肝臓が弱っているのかもしれません。
③ 消化作用(胆汁の生成・分泌)
肝臓は、体内の古くなったコレステロールや赤血球を分解して胆汁を作り、その胆汁を胆管→胆嚢→十二指腸へと排出して脂肪の吸収を助けたり、肝臓に蓄積された老廃物を体外へ排泄する働きを持っています。胆汁は肝臓から1日約500~800m分泌され、消化酵素を活発にし、脂肪やたんぱく質を分解して腸から吸収しやすくします。腸から吸収された胆汁はまた肝臓に戻り、そしてまた胆汁として分泌されるという効率の良い腸肝循環を行っています。
④ 合成作用
栄養状態の指標となるアルブミンというタンパクを合成します。また、血液を固める血液凝固因子を作ります。

わが国の慢性肝炎の約70%はC 型肝炎ウイルス、15~20%がB 型肝炎ウイルスによるものです。残りの多くがアルコール性肝障害で、その他に非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic hepatitis;NASH)、自己免疫性肝炎(Autoimmune hepatitis;AIH)、原発性胆汁性肝硬変(Primary Biliary Cirrhosis;PBC)、薬剤性肝障害などがあります。しかし、健康診断で肝障害を指摘される多くは脂肪肝が原因です。

 
脂肪肝
症状: 特になし
病態:

食事で摂った糖質や脂質は、小腸で脂肪酸に分解され肝臓に送られます。しかし、糖質や脂質を摂りすぎて肝臓に送られる脂肪酸が増えると、脂肪酸から作られた中性脂肪が肝臓に蓄積されます。また、アルコールの飲みすぎでも肝臓に中性脂肪が蓄積されます。
つまり、脂肪肝とは、食べ過ぎや飲みすぎによって肝臓に中性脂肪やコレステロールが溜まった肝臓の肥満症とも言える状態です。
脂肪肝があるような人は、肥満や生活習慣病の合併を多く認めます。
脂肪肝は年代では30~70代に多く、男性では40歳前後、女性では40代以降の中高年に多発しています。性別では男性のほうが多くみられます。
アルコール性脂肪肝から肝硬変に移行することは良く知られていますが、最近では非飲酒者に発生する脂肪肝の10人に1人が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)という病気に進展し、いずれ肝硬変になることが分かり、問題となっています。

 

慢性肝炎とは?

慢性肝炎とは、臨床的には6ヶ月以上の肝機能検査の異常が持続している病態を指します。
つまり、肝臓の細胞(肝細胞)が長期間にわたり持続する炎症によって壊れる病気です。次第に肝臓に線維線維化が生じ、肝硬変となり、肝細胞がんを合併する場合もあります。
わが国の慢性肝炎の約90%がB 型やC 型の肝炎ウイルスの感染によるものです。

C型慢性肝炎
症状: 慢性肝炎に特有の症状はなく、多くの場合、血液検査の異常で発見されます。
病態:

C型肝炎はC型肝炎ウイルスが輸血や血液製剤の使用、入れ墨、麻薬・覚醒剤使用時の注射器の回しうち、不衛生な状態での鍼治療、ピアスの穴開けなどにより感染し発症する病気です。急性肝炎のうち60~80%の人が慢性肝炎に進み、更に肝硬変に進行しますが、経過中(通常、初感染から約30~40年後)に肝がんを合併する場合があります。

  C型慢性肝炎の自然経過
治療しないと10~30年後に肝硬変、肝臓がんに移行しやすい
 
治療: C型慢性肝炎の方のウイルスを排除できる可能性のある唯一の治療法はインターフェロン療法です。インターフェロン治療によってウイルスを排除できる割合は、インターフェロン治療が使われるようになった1990年代から現在までの間に、ずいぶん高くなってきました。これは、2剤併用療法(インターフェロンと飲み薬の抗ウイルス薬であるリバビリンを組合せた治療法)や、改良型のペグインターフェロンを使った治療が行えるようになったこと、ウイルスの種類や量に応じた最適なインターフェロン治療の方法や治療期間が分かってきたためです。また、2011年11月にC型慢性肝炎に対するペグインターフェロン、リバビリン及びテラプレビルによる3剤併用療法が保険適用となり、更なる治療効果が期待されます。
 
B型慢性肝炎
症状: C型肝炎と同様に特有の症状はなく、多くの場合、血液検査の異常で発見されます。
病態:

B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)が血液・体液を介して感染して発症する病気です。HBVは感染した時期、感染したときの健康状態によって、一過性の感染に終わるもの(一過性感染)とほぼ生涯にわたり感染が継続するもの(持続感染)とに大別されます。
思春期以降にHBVに感染すると、多くの場合一過性感染で終わります。感染の原因のほとんどはHBV慢性感染者との性的接触によるものと考えられており、この他、十分に消毒していない器具を使った医療行為、入れ墨、ピアスの穴開け、カミソリや歯ブラシの共用、麻薬・覚醒剤使用時の注射器の回しうちの際、HBV持続感染者の血液が付着したままで次の人が使用すると感染の可能性があります。HBV感染後、一過性の急性肝炎を起こすことがしばしばありますが、その後大部分の人ではHBVは排除され、慢性化しません。またHBVに感染しながらも、急性肝炎の症状が出現せず、気づかないうちにHBVが排除される人も少なくありません。ただし、近年ジェノタイプA型と呼ばれる、欧米型やアジア・アフリカ型といった外来種のHBVに感染すると比較的高率に慢性化を起こすことが知られています。
一方、HBVが慢性感染している人の大部分は、母親がHBVの持続感染者で、出産時に産道出血によりHBVが新生児の体内に侵入することにより感染します(母児感染)。その他乳幼児期に医療行為、口移しの食事、傷口からの出血など何らかの理由で、HBVの持続感染者の血液・体液が体内に侵入すると、持続的な感染を起こします。また成人であっても、体の抵抗力(免疫力)が低下するような、免疫抑制剤使用中、抗癌剤治療中、後天性免疫不全症候群(AIDS)患者の人たちは、HBV感染後、自分の力ではHBVが排除できずに持続感染を起こすことがあります。
前述したとおり、B型慢性肝炎は母児感染でHBVに感染した人などの持続感染者に起こりますが、出産後数年~十数年間は肝炎は発症せず、HBVは排除されずに患者さんの体内で共存しています。ところが思春期を過ぎると自己の免疫力が発達し、もともと生まれたときから体内に存在したHBVを病原菌であると認識できるようになり、白血球(リンパ球)がHBVを体内から排除しようと攻撃を始めます。この時リンパ球がHBVの感染した肝細胞も一緒に壊してしまうので肝炎が起こり始めます。一般に10~30才代に一過性に強い肝炎を起こし、HBVはHBe抗原陽性の増殖性の高いウイルスからHBe抗体陽性の比較的おとなしいウイルスに変化します。HBe抗体陽性となった後は、多くの場合そのまま生涯強い肝炎を発症しませんが、変異株のHBVにより慢性肝炎に移行する人もいます。このように思春期以降一過性の肝炎を起こした後はそのまま一生肝機能が安定したままの人がおよそ80~90%、残りの10~20%の人は慢性肝炎・肝硬変へと移行し、肝がんを合併する人も出てきます。

  B型肝炎を調べるには?
血液中のHBs 抗原が陽性の場合は、血液中にB 型肝炎ウイルスが存在すると考えられます。さらに、HBe 抗原が陽性の場合はウイルスの量が多く、HBe 抗体が陽性の場合はウイルスの量が少ないと考えられますが、これには例外もあります。血液中のウイルス量はHBV-DNA 量を測定すればわかります。
治療: インターフェロン治療や核酸アナログ製剤による治療を行います。ただし、これらの治療を行ってもHBVウイルスの完全排除は期待できません。これがHBVに対する治療とHCVに対する治療の根本的な違いです。これをふまえてB型慢性肝炎の治療をしなければなりません。
この他にウイルス量は減少しませんが、肝炎を抑える目的で肝庇護剤(内服薬のウルソデオキシコール酸と注射薬のグリチルリチン製剤)による治療を行うことがあります。
 
アルコール性肝障害
症状: アルコール性脂肪肝、アルコール性肝線維症では特に症状はありませんが、アルコール性肝炎では腹痛、黄疸(おうだん)、発熱が、アルコール性肝硬変では全身倦怠感、食欲不振、下痢などがみられます。
病態:

アルコール性肝障害とは、アルコールによって引き起こされる一連の肝臓疾患の事をいいます。アルコール自体は直接肝細胞に対する障害性はありませんが、アルコールの代謝産物や血流障害により肝障害が生じると考えられています。アルコール性肝障害の発生と病態には個人差や性差がみられ、少ない飲酒量でもアルコール性肝障害を生じる方もいますし、女性では男性の約2/3の積算飲酒量で肝障害が認められるようです。最近、女性の飲酒者の増加に伴ってアルコール性肝障害の発症頻度も増加してきています。全肝臓疾患中におけるアルコール性肝障害の占める率は約10%もあるようです。主な病型の分類としては、①アルコール性脂肪肝、②アルコール性肝線維症、③アルコール性肝炎、④アルコール性肝硬変(かんこうへん)があります。
アルコール性脂肪肝→アルコール性肝炎→アルコール性肝硬変へと進行する場合と、アルコール性肝炎を経由せずにアルコール性肝線維症→アルコール性肝硬変へと進行する場合があります。
アルコール性肝炎はアルコール性肝障害の中でも特殊な病態で、大酒家が、大量飲酒を契機に発症する急性肝細胞壊死による急性肝炎に似た病態をいいます。肝細胞が破壊されて炎症が起こるため、全身の倦怠感や黄疸、発熱、吐き気などに加え腹痛などの症状が現れます。重症型では多臓器不全を合併し約40%が死亡するといわれています。
アルコール性肝硬変はアルコール性肝障害の終末期の状態です。

治療: アルコール性脂肪肝やアルコール性肝線維症の段階では禁酒することで肝臓の機能が改善する見込みがあります。肝硬変に進展してしまう前に禁酒をしましょう。
 
非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis;NASH)

NASHは、1980年にアメリカの Mayoクリニックの病理学者 Ludwig が命名しました。アルコールを飲んでいない人に、アルコール性肝炎と同じ病理組織像(脂肪沈着、マロリー体、pericellular fibrosis)を呈する人がいるということで、non alcoholic steatohepatitis;NASH という名前をつけました。
症状:自覚症状はほとんどなく、検査で発覚することがほとんどです。

症状: 自覚症状はほとんどなく、検査で発覚することがほとんどです。
病態:

発生に至る機序はまだはっきりとはわかっていませんが、脂肪肝に加え、肝臓に何らかのストレスがかかることによって発生するのではないかと考えられています。ストレスは具体的には活性酸素による酸化ストレス、過酸化脂質、鉄、インスリン抵抗性、サイトカインの放出などがあります。近年メタボリックシンドロームの増加により、NASHへの注目も高まっています。
肝臓に脂肪がたまっているだけ(単純性脂肪肝)であればあまり悪影響はありませんが、何らかの原因で脂肪肝にストレスが加わり、脂肪性肝炎という状態になると、肝硬変へ進展し肝がんを合併することがあります。脂肪肝のうち10人に1人がNASHに進展することが分かってきており、NASHに進展する前に脂肪肝の治療をした方が良いと考えられています。

治療: 減量が最も重要と考えられています。食生活の改善と運動療法が基本です。
薬物療法としては、ウルソデオキシコール酸、インスリン感受性改善薬、ビタミンEなどが有効であるという報告があります。
 
自己免疫性肝炎(Autoimmune hepatitis;AIH)
症状: 自己免疫性肝炎に特徴的な症状はありませんが、最も多いのは倦怠感で約6割の患者さんが訴えます。慢性ウイルス肝炎に比し黄疸を訴える患者さんは35%と高頻度です。他の症状としては食欲不振、関節痛、発熱などがあります。また、甲状腺機能低下、関節リウマチなど他の自己免疫性疾患が合併する場合も少なくありません。
病態:

肝障害の原因は不明ですが、自己免疫の異常が病気の成り立ちに重要と考えられています。臨床的特徴としては女性に多く、検査所見で高ガンマグロブリン血症、抗核抗体をはじめとする自己抗体の陽性所見が特徴的です。肝生検組織では一般に慢性肝炎像特に活動性を示し、形質細胞浸潤が特徴的とされています。免疫反応であるLE細胞現象が陽性の場合ルポイド肝炎とも呼ばれます。

治療: 副腎皮質ステロイドが治療に用いられます。一般的にプレドニゾロンを通常30~ 40mg/日で開始し、GOT、GPTの改善を確認しながらゆっくりと減量します。副腎皮質ステロイドの自己中止は自己免疫性肝炎の再燃につながり、再燃すると治療抵抗性になる場合が多いことを理解し、きちんと服用することが大切です。
 
原発性胆汁性肝硬変(Primary Biliary Cirrhosis;PBC)
症状: 多くは自覚症状はありませんが、一部(約2割)の方に全身の皮膚掻痒感や黄疸が認められます。病気が進行し、胆汁性肝硬変という状態になると、からだのむくみ(浮腫)、おなかの張り(腹水)やアンモニアが体内に貯まって生じる肝性脳症を生じるようになります。またこの病気は、食道の血管が拡張する食道胃静脈瘤が他の原因による肝障害よりも生じやすく、この静脈瘤の破裂による吐血や下血ではじめてこの病気であることが分かることもあります。肝がんの合併がみられることもあります。
その他、胆汁うっ滞により脂溶性のビタミンであるビタミンDが吸収されにくくなり、特に閉経期の女性では骨粗鬆症が進行しやすくなります。また、高脂血症を生じやすく、目の周りに脂肪が沈着する眼瞼黄色種ができることもあります。
PBCには他の自己免疫疾患が合併することが知られています。日本ではこの病気の約15%の方に口腔乾燥症・乾燥性角結膜炎を特徴とするシェ-グレン症候群、約5%に関節リウマチ、慢性甲状腺炎が合併するとされており、これら合併した他の自己免疫疾患の症状が前面に出る場合もあります。
病態:

この病気の原因はまだはっきりわかっていませんが、肝臓の組織障害に免疫反応の異常、すなわち、自己免疫反応が関与していることが、国内外の研究で明らかになりつつあります。肝臓の中の小さな胆管が炎症により破壊され、胆汁が肝臓内に停滞するために次第に肝細胞が破壊されて線維に置換され、徐々に肝硬変へと進行します。一部の患者さんでは、徐々に肝臓の働きが低下して、黄疸、腹水貯留、肝性脳症を生じて肝不全という状態まで進行します。症候性PBCと無症候性PBCに分頬され、皮膚のかゆみ、黄疸、食道胃静脈瘤、腹水、肝性脳症など肝障害に基づく自覚症状を有する場合は症候性PBCと呼び、これらの症状を欠く場合は無症候性PBCと呼びます。PBCは病名に肝硬変という名称が含まれていますが、多くの患者さんは肝硬変の状態になく、早期の進行していない時期にみつかります。しかし、病名としては
 原発性胆汁性肝硬変と呼ばれます。

治療: この病気を完全に治す薬はまだできていませんが、ウルソ(ウルソデオキシコ-ル酸)という薬に進行を抑える働きがあることが分かり、現在世界中でこの病気に対して使われています。
 この薬は、古くから漢方では”熊胆:くまのい”として知られており、胆石症や慢性肝臓病の治療に使用されてきました。この薬は胆汁の成分である胆汁酸の一種で、肝臓の細胞を保護する働きがあります。最近、高脂血症の治療に広く使われているベザフィブラ-トという薬が、ウルソの効果が悪い人にも有効ということで使用されていますが、まだ正式には保険適応となっていません。
この病気が進行して肝硬変に至った場合は、他の原因による肝硬変と同じ治療を行います。また食道や胃に静脈瘤ができ、放置しておけば出血の危険性が高いと予測される場合は予防的に内視鏡を使った治療が行われています。これら様々な内科的治療を行ってもなおその効果がみられない場合、肝移植治療を検討します。
 
肝臓がん
肝臓がんの種類は、大きく分けて2種類あります。はじめから肝臓にできる原発性肝細胞がんと、他の臓器から転移して起こる転移性肝がんです。
原発性肝細胞がん
症状: 肝細胞がんになってもほとんど自覚症状はありません。そのため、肝細胞がんを早期発見するためにも定期的な採血や腹部エコー・CTなどの検査を受けることが重要となります。
病態:

日本の肝細胞がんの患者さんの90 %近くはB 型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの持続感染が原因となっています。これらのウイルスが肝臓に長期にわたって感染したことによって肝細胞がんが発生すると考えられていますが、がんになる経過は各々のウイルスによって少し違っています。
一般的には、肝炎ウイルスが感染した後、ウイルスが排除できず、慢性肝炎や肝梗変になってがんが出ることが多いのですが、B 型肝炎ウイルスの場合、肝臓の細胞の遺伝子に入り込み、発がんの原因になることもあります。そのため肝機能のそれほど悪くない時期から発がんを認めることもあります。それに対しC 型肝炎は、感染して20~30 年後に、肝臓が進行した慢性肝炎や肝硬変になってから肝細胞がんができることが多くみられます。C 型肝炎ウイルスにより、肝臓の障害が続き細胞が壊れたり、新しくできたりを繰り返すうちに遺伝子に変化が起こり、がんができてしまうと考えられています。例外もありますが、肝がんの発生はC 型慢性肝炎の患者さんの中でも肝機能の悪い状態が長期に持続する場合に高頻度に起こります。
その他の肝細胞がんの原因としては、アルコール性肝硬変、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、自己免疫性肝炎や原発性胆汁性肝硬変の患者さんなどに肝発がんが起こります。

治療: 内科的治療と外科的治療のふたつがあります。どちらを選ぶかはがんの数と大きさ、他の臓器への転移の有無、肝機能を見て判断します。最初は内科的治療をしていても、経過によっては外科的に切除することもありますし、その逆もあります。
内科的治療には内科的治療には、経カテーテル肝動脈塞栓療法(TAE)、エタノール局部注療法(PEIT)、マイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼療法(RFA)、リザーバーを使用した抗がん剤動注療法などがあります。最近では、初期の肝癌の多くはRFA で治療することが多くなっています。
 

転移性肝がん

転移性肝がんとは、他の臓器に発生したがんが肝臓に転移したものです。肝臓は、血管を介して全身のさまざまな臓器とつながっているため、他の部位で生じたがんが高頻度に転移します。特に、胃や大腸、胆のう、膵臓などの腹部臓器の血液は門脈という血管を介して1度肝臓を通ってから全身に回るため、これらの臓器のがんは最初に肝臓に転移することが多くみられます。
治療: 治療の第1選択肢は外科手術によるがんの摘出です。肝臓は切除後も再生されるため治癒が見込める場合には、手術による腫瘍の摘出が確実です。しかし、現実的には肝臓以外の部位にも転移が見られることも多く、手術できるのは患者さんの10~30%です。また、手術をしてもCTなどでも見えない小さな転移がすでに存在し、術後間もなく再発してくることも多くみられます。手術をしない患者さんに行われる治療として、抗がん剤を静注あるいは内服する全身化学療法、抗がん剤が肝臓に直接注入されるよう肝動脈内にカテーテルを挿入する肝動注化学療法、超音波やCTで病変を見ながら針や電極を挿入してがんを治療するラジオ波焼灼術(RFA)、エタノール局部注療法(PEIT)、マイクロ波凝固療法などの経皮的局所療法があります。
 
肝血管腫
症状: 一般的に症状はありません。
病態:

肝血管腫とは、肝臓に生じる良性腫瘍の一種です。毛細血管の一部が増殖し腫瘍状に発育したものですが、その原因は特定されていません。

治療: 肝血管腫は良性疾患ですので、一般的に治療の必要はなく、定期的な検査を行うなどの経過観察が行われます。しかし、血管腫が巨大化した場合、血管腫の内部に血栓が生じて出血の可能性がある場合、悪性腫瘍との判別が困難な場合には手術療法が行われることがあります。
 

胆道の病気

・胆のう結石症(胆石症)
・総胆管結石症、肝内結石症
・胆のう炎、胆管炎
・胆のうポリープ
・胆のうがん、胆管がん

 
胆のう結石症(胆石症)
症状: 心窩部~右上腹部痛、背部痛、吐き気、嘔吐、発熱、黄疸  など
病態:

消化液である胆汁中に溶けているコレステロールやビリルビンが溶けきれなくなり、析出して結晶になることによってできます。コレステロール系の結石が60~70%を占め、近年の高脂肪食との関係が指摘されています。女性(Female)、色白(Fair)、肥満(Fat)、40歳代(Forty)、多産(Fertile)の“5F”に多いと言われており、該当する方は注意が必要です。通常、胆のうの中に存在するだけでは無症状ですが、胆汁の流れ道である胆のう管に引っかかると、胆石発作と言われるような、上記の症状を引き起こします。また総胆管内に落ちたりした場合には黄疸などの症状が出現します。胆のうがんの患者さんの70~90%に胆石を認めることより以前から胆石と胆のうがんの関係が指摘されていました。ある報告では胆石を持っている患者は持っていない患者の34倍ほど胆のうがんのリスクが高いとされており、また3cm以上の結石は1cm未満の結石に対して胆のうがんのリスクが10倍上がると報告されています。しかしながら胆石患者から見た胆のうがんの発生率は0.5~3%とそれほど高くないため、無症候性の胆石に対する手術に関しては否定的な意見が多いというのが現実です。

治療: 無症状の胆石に関しては前述のようにあまり積極的に治療を行う事はなく、超音波検査による定期的な経過観察が行われます。胆石発作時には禁食の上、抗生物質および鎮痙剤の投与行います。結石の溶解療法としてウルソデオキシコール酸(UDCA)を内服させることもありますが、高い治療効果はあまり望めません。ただし、UDCAには胆石発作を軽減する作用があることが判っています。胆石発作を繰り返すケースに関しては手術を行います。近年、腹腔鏡下の胆のう摘出術が一般的となっており、開腹手術に比べて患者さんの負担も随分と軽減されました。また最近では傷あとの残らない手術として、臍の部分を利用した単孔式の腹腔鏡手術が盛んに行われています。
 
総胆管結石症、肝内結石症
症状: 黄疸、腹痛、発熱 など
病態:

総胆管内に存在する結石を総胆管結石、肝臓の中の肝内胆管に存在する結石を肝内結石と呼びます。成因としては胆のう内からの落下結石や、胆・胃・膵臓などの手術後に胆汁が停滞して起きる場合などがあります。急性閉塞性化膿性胆管炎などを合併すると重篤になるため、早急な治療が必要となります。肝内結石では癌化する率も高いことより積極的に治療を行います。

治療: 総胆管結石症では内視鏡的に十二指腸乳頭を切開して、バスケットやバルーンなどを用いて、石を十二指腸内に落とします。肝内結石症では肝臓から経皮的に胆道鏡を挿入して肝内結石を除去する方法や、外科的に肝臓を切除する治療が行われています。
 
胆のう炎、胆管炎
症状: 心窩部~右上腹部痛、発熱、黄疸 など
病態:

胆のう内にうっ滞した胆汁に細菌の感染が合併したものを胆のう炎、胆管内にうっ滞した胆汁に細菌感染が合併したものを胆管炎と呼びます。いずれも結石に起因することが多いですが、胆管炎は手術や処置によって胆汁の流れが障害された場合にもしばしば起こります。

治療: 絶食とした上で細菌感染に対して抗生物質の投与を行いますが、効果が不十分な場合や急性閉塞性化膿性胆管炎の場合には胆汁を外に排出するドレナージ術が必要となります。また壊死性胆のう炎、胆のう穿孔による腹膜炎を呈した場合には手術が必要となることもあります。
 
胆のうポリープ
症状: 特にありません
病態:

胆のう内の壁にできる限局性の隆起した病変を胆のうポリープと言います。胆のうポリープは非腫瘍性と腫瘍性に分けられ、非腫瘍性のポリープの中には、炎症性ポリープ、過形成性ポリープ、コレステロールポリープなどがありますが、80~90%はコレステロールポリープで、胆汁中のコレステロールが胆のう粘膜に沈着することによって起きます。いずれの非腫瘍性のポリープも悪性にはなりません。腫瘍性のポリープを胆のう腺腫と言いますが、一見しただけでは他の非腫瘍性ポリープとの鑑別が困難で、また腺腫と癌との鑑別も困難なため、通常はポリープの大きさによって治療方針を決定します。ポリープの大きさが5~10mmでは5%、10~15mmでは25%、16mm以上では60%、20mm以上ではほぼ100%の悪性の危険性があるため、通常10mm以上のポリープは精密検査、治療の対象となります。

治療: 外科的に胆のう摘出術が行われます。悪性が確認された症例では肝床部の追加治療とリンパ節郭清術を行います。
 
胆のうがん、胆管がん
症状: 黄疸、右季肋部痛、食思不振、体重減少 など
病態:

胆のうがんは症状がほとんどなく、腹部超音波検査などで偶然発見されることが多く、胆管がんも初期には症状がありませんが、胆管の狭窄を来すようになると、黄疸として認識されるようになります。胆管がんはその発生部位によって肝内胆管がん、肝外胆管がん、十二指腸乳頭部がんに分類され、肝外胆管がんはさらに肝門部胆管がん、上部胆管がん、中部胆管がん、下部胆管がんに分類されますが、発生部位によって手術の方法が異なります。特に肝門部胆管がんでは高度の診断および治療技術が必要とされます。

治療: 胆のうがん、胆管がんの治療の原則は外科的な切除です。最近では抗がん剤であるジェムシタビンの登場により、抗がん剤による治療生成期が向上していますが、長期生存が期待できるのは外科的に治癒切除が行えた症例です。手術が不能な症例では、胆汁の流れる道をステントや外瘻チューブによって確保した上で、抗がん剤治療を行います。
 

膵臓の病気

・急性膵炎
・慢性膵炎
・膵がん

膵臓は胃の背側にある臓器で細長い形をしており長さは約15cm、重さは60g~90g程度です。膵臓の働きには、インスリンやグルカゴンという膵ホルモンを血液に分泌する内分泌と、消化液の一種である膵液を十二指腸から小腸へ分泌する外分泌があります。
① 内分泌:膵臓にはランゲルハンス島というホルモンを分泌する組織が散在しておりここからインスリンやグルカゴンなどのホルモンが分泌されています。これらのホルモンは血糖のコントロ-ルなど重要な働きをしています。
② 外分泌:膵臓の腺房細胞では消化液の一種である膵液が作られています。膵液は細い膵管に分泌され、膵管は合流を繰り返して膵臓の中心を通る主膵管を流れ、最後に胆汁の通り道である胆管と十二指腸の乳頭部で合流し、十二指腸に分泌されています。膵液にはアミラ-ゼ、トリプシン、リパ-ゼといった消化酵素が含まれています。アミラーゼは主に炭水化物を分解する膵液、トリプシンは主にタンパク質を分解する膵液、リパーゼは主に脂肪を分解する膵液です。膵液は食物が胃から十二指腸に送られると反応性に分泌されます。膵臓から分泌される膵液は若干の粘り気はありますが、無味無臭の透明の液体です。
急性膵炎
急性膵炎は、胆石や胆汁のうっ滞や多量の飲酒が原因で、活性化された膵酵素(すいこうそ)によって自分の膵臓が自己消化されてしまい、膵臓やその他の主要な臓器に炎症と障害が引き起こされる病気です。 短期間で軽快する軽症膵炎から、多臓器不全(たぞうきふぜん)で死に至る重症急性膵炎まで、様々なケースがあります。
症状: 急性膵炎の最も特徴的な臨床症状・徴候は上腹部の急性腹痛発作と圧痛です。急性膵炎患者の90%以上が腹痛を訴えるといわれています。腹痛の他には、背部への放散痛、食欲不振、発熱、嘔気・嘔吐、腸蠕動音の減弱などがみられます。何の前触れもなく痛みが起こることもありますが、食事後、とくに脂っこい食事をしたあとや、アルコールを多く飲んだあとに起こることも少なくありません。痛みは、膝を曲げて腹ばいになると和らぐことがあります(胸膝位)。
検査と
診断:

腹部症状・所見に加えて、血液や尿中の膵酵素の上昇、あるいは画像診断で急性膵炎の異常所見がみられることを確認することが必要です。膵酵素としては一般にアミラーゼが有名で、ほとんどの場合、血清アミラーゼが検査されています。しかし、アミラーゼは膵炎で上昇しても、血液中で高値が続く期間が短いので、症状が出て何日かたってから受診すると、正常化していることがあるので注意が必要です。また、アミラーゼは膵炎以外の原因でも上昇することがあるので、アミラーゼが高いからといって膵炎と確定診断することはできません。そのため、膵炎での特異性が高い膵型(P型)アミラーゼや、血中リパーゼの測定が有用とされています。
画像診断では、一般に腹部超音波検査(US)や腹部CT検査が行われ、膵臓の腫脹や膵周囲の炎症性変化(液体貯留など)が特徴的な所見として認められます。
急性膵炎は、重症度によって予後が異なるため、重症度に基づいて治療法を選択する必要があります。重症度の判定は、臨床所見と血液・尿生化学検査、および画像診断(造影CT検査)によって総合的に行い、軽症か重症かを判断します。

治療: 急性膵炎と診断された場合には入院治療を行います。治療の基本は、絶飲絶食による膵臓の安静と、初期の十分な輸液の投与です。食事や飲水は、間接的に膵臓を刺激して膵酵素の分泌を促し、膵炎を悪化させるので、急性期には厳密な絶飲絶食が必要です。また、膵炎では炎症のために大量の水分が失われているので、多量の輸液が必要になります。
腹痛などの痛みに対しては、鎮痛薬を適宜使用します。さらに、膵酵素の活性を抑える働きのある蛋白分解酵素阻害薬を使用します。軽症と中等症膵炎の多くは、このような基本治療で軽快します。 しかし、重症膵炎では、様々な合併症に対する治療を行わなければならず、集中治療室(ICU)での全身管理が必要になることも少なくありません。また、血液浄化療法やステロイドの動注療法などの特殊な治療も行われます。
胆石性膵炎では、原因を除去するために内視鏡を用いた胆管結石の除去や胆管ドレナージが必要になることがあります。また、再発防止に胆嚢摘出術などの治療を考慮する必要もあります。
重症膵炎では、急性期を過ぎた時期にしばしば仮性嚢胞が形成されることがあります。仮性嚢胞はそのまま自然に消えることもありますが、大きいものや感染を伴う場合、また出血の危険がある場合には、嚢胞内に管を挿入して内容物を吸引するドレナージが必要となります。
 
慢性膵炎
長年にわたる多量のアルコ-ル摂取やその他の原因によって、膵臓に繰り返し炎症が起こり、次第に膵臓の細胞が破壊されて膵実質が脱落して線維に置き換わり、膵臓全体が硬くなって萎縮していく病気です。我が国の慢性膵炎患者の成因として最も多いのは、アルコール性で 64.8%を占め、次に原因不明の特発性が18.2%、胆石性は2.8%です。男性ではアルコール性が73.0%で最も多く、女性では特発性が40.5%と最も多くみられます。
症状: 慢性膵炎の早い時期では繰り返す上腹部痛、腰背部痛が典型的な症状です。疼痛は通常持続性ですが、間欠的に生じるものもあり、また程度も軽度なものから高度のものまで人により様々です。その他の症状としては吐気・嘔吐、食欲不振、腹部膨満感などがあります。疼痛は暴飲暴食、特に脂っこい食事や、飲酒後に起こりやすい傾向がみられますが、特徴的なのは、痛みが食事の直ぐ後ではなく、数時間後(時には12~24時間後)にあらわれることです。また、特に誘因がなく突然起こることもあります。
これらの症状は、膵臓の機能が比較的保たれている早期(代償期)にみられますが、膵組織が高度に広範囲に破壊され膵機能が著しく低下した後期(非代償期)には腹痛は軽減します。また、慢性膵炎の後期には、内分泌(インシュリンの分泌)が低下することによる糖代謝障害(膵性糖尿病)や、外分泌(消化酵素の分泌)が低下することによる消化吸収障害(脂肪性下痢)や体重減少が出現します。
慢性膵炎は基本的には急性膵炎とは別の病気と考えられます。膵臓の中に石(膵石)ができて痛みや炎症を起こすことが多いのも慢性膵炎の特徴です。
検査と
診断 :

日本膵臓学会による慢性膵炎の臨床診断基準が作成されており、それに従い診断します。臨床診断基準では、疼痛などの症状や血液、尿などの臨床検査所見は、診断基準には入れられていません。これは慢性膵炎の症状がさまざまで個人差も大きく、また、アミラーゼなど膵酵素の変動も症状と必ずしも一致しないためです。
慢性膵炎の早期には膵臓の形(形態)や膵臓の機能に異常が少ないため、臨床診断基準に当てはまる症例が少ないのも事実です。早期の慢性膵炎の診断は困難で、臨床診断基準では、ある程度進行したものしか診断できないという問題があります。

治療: 強い腹痛発作の場合には急性膵炎と同じ治療を行います。軽度の腹痛や腹部不快感がある場合には以下のような治療を行います。
① 生活習慣の改善:症状が出現する原因、あるいは誘因を除去することが重要です。すわなち、食事やストレスなどの生活習慣の改善が必要で、禁酒の実現には、家族、社会の協力が必要となります。
治療の原則として、
1:禁酒が一番で、原因となるアルコ-ルを完全に絶つことが重要。
2:暴飲暴食や過労を避ける。
3:脂肪の多い食事を控える(脂肪30~40 g/日以下)。
4:食生活や生活習慣をきっちりとし、腹6~8分目とする。
などが挙げられます。
腹痛を繰り返す患者さんでは、食事摂取による疼痛誘発を避けるために1回の食事量を少なくし、1日に4~5回摂取するようにします。また、ストレスも慢性膵炎に悪影響を及ぼしますので、心身の安静を守りストレス・不安の解消などに努めることも重要です。
② 保存的治療:腹痛に対しては鎮痙薬、鎮痛薬を投与します。腹痛の程度が比較的軽度の場合には、消化酵素薬や酵素阻害薬の経口投与などを行います。膵機能の低下による消化吸収障害(下痢、脂肪便)に対しては、消化酵素薬の大量投与が必要になります。また、胃酸分泌抑制薬も併用します。慢性膵炎が原因で発症した糖尿病(膵性糖尿病)は、通常の糖尿病で使用される経口糖尿病薬ではコントロールが困難な場合が多く、一般にインスリン注射が必要になります。
③ 特殊治療:保存治療でコントロールできない疼痛、膵管の狭窄や膵石のために腹痛が持続あるいは繰り返す症例や、膵嚢胞や膿瘍などの合併症を伴う場合には、膵管内へチューブを入れ膵液のうっ滞を取り除いたり(ドレナージ術)や、膵石に対して体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)による治療も行うこともあります。また、膵嚢胞や膿瘍に対しては手術やエコー下ドレナージなどが必要に応じて行われます。
 
膵がん
通常、膵がんとは膵管から発生し、充実性の腫瘤を形成して浸潤、転移を起こしやすい膵管がん(通常型膵がん)を意味します。膵臓のがんの90~95%を占めており、消化器のがんのなかでも難治性のがんの代表です。膵がんの発生率は胃がんや大腸がんに比べ1/3~1/5程度にもかかわらず、国内におけるがんによる死亡原因の第5位を占めています。難治がんである原因は、膵臓がんには特異的な初発症状がなく、膵臓がんと診断された時には多くが高度に進行しており、既にがんが膵臓の周囲の重要臓器に拡がっていたり、肝臓などの他臓器にがんが転移していて、7割から8割の方は外科手術の適応にならないこと、また、たとえ切除可能であっても早期に再発を生じることが多いことが挙げられます。
膵臓を3等分し十二指腸側から膵頭部、膵体部、膵尾部といいますが、膵がんの多く(70~80%)は膵頭部に発生します。
膵臓のがんには他に、膵臓に嚢胞を形成するがん、粘液を産生するがん、ランゲルハンス島から生じたがんなどがありますが、ここでは、大多数を占める通常型膵がんについて述べます。
症状: 早期には症状はみられません。初期症状は上腹部の不定愁訴で、膵がんを第一に疑うことは困難です。がんの進行とともに膵頭部がんでは胆管が閉塞することによる黄疸が出現します。一方で、膵体部がんや尾部がんでは糖尿病が急激に悪化することもあります。その他、上腹部痛・背部痛、腹部腫瘤、体重減少などが出現します。末期には腹水が出現してきます。
診断:

血液中の腫瘍マーカーとしてCEA、CA19-9、エラスターゼ1、Span-1、DUPAN-2などがありますが、いずれも感度、特異度の点で問題があります。画像診断では、スクリーニング検査として非侵襲的な検査として腹部超音波(US)、腹部CTおよび腹部MRIを利用したERCP検査が、侵襲的な検査として内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、超音波内視鏡(EUS)、膵管内視鏡検査、血管造影などがありますが、依然早期発見が難しいがんです。

治療: 唯一の根治可能な治療法は手術ですが、膵がんは早期発見が困難で、容易に他組織に進展するため、切除率は約40%にとどまり、また、根治切除が施行されたとしても5年生存率は10%程度です。膵頭部がんに対しては膵頭十二指腸切除が、膵体尾部ガンには膵体尾部切除が、がんが膵全体に及ぶ場合は膵全摘術が行われます。膵切除は腹部外科のうちで最も難易度が高い手術の1つです。
非手術例に対しては、化学療法、放射線療法などが行われています。現在、標準的全身化学療法としてはゲムシタビン(gemcitabin;GEM)、ティーエスワン(tegafur・gimeracil・oteracil potassium;TS-1)を使用した治療が行われています。放射線療法は局所制御に効果があり、疼痛除去などの改善がみられます。治療の進歩にもかかわらず、膵ガンの治療成績はいまだ満足いくものではなく、実際の現場ではこれらの治療法が適宜組み合わせられています。
 
 

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